日本人女性の“平均寿命”は86歳ですが、健康的な日常生活を送れる「健康寿命」は約73歳で、その後は寝たきりなど介護が必要な期間である「余寿命」なのです。
人生100年時代と言われていますが、健康ならばそんな幸せなことはありません。
しかし、健康に生きて行くには生活の見通しができていなければ、途中で何かしらの犠牲が伴うでしょう。
未来に向けて、心身共に“健康的な生活”のために、「終活」を意識することが大切です。
終活をすることで、どんな効果があるのでしょう。
今回は終活の効果について綴っています。
目 次
自分の子どもが少ない・いない時代だからこそ「終活」
私はひとりっ子として育っています。
母が私が生まれる前に流産しているので、もしかしたら私に兄がいたか…私がいなかったか…。
両親は私に迷惑はかけない…とずっと言っていました。
しかし父が旅立ち、ガンの母が病気でたたかっている間、私は会社の経営と子育てがあり、どのようにその時間を過ごしてきたのかと思い返せないほど忙しかったです。
親は子供に世話になろうとして思っていなくても、ひとりっ子である私にとって親の老後は「心の負担」になっています。
「負担」と言うと血も涙もないように感じられてしまいますが、どんなに親を慕い豊かな老後を過ごさせてあげたいと思っても、先立つものは「お金」、そして奪われる「時間」はどうしようもありません。
現代は自分の生活で精一杯で、金銭的・精神的余裕がありません。
子どもに伴侶がいたとして…その伴侶もひとりっ子だったら、子供は合計4人の老人の世話を考えなければならないのです。
戦前のように、親族・兄弟が多いとか地域で協力し合うという状況ではありません。
それなのに意識だけは、戦前のまま今日に至っているような気がします。
最近は「終活」というトレンドによって、「豊かな老後」が意識されています。
しかし、どのように老後を考えているのでしょう。
心の中の私は「兄弟がいればなぁ…」と思っていました。
ひとりっ子は、協力し合える人がいないのです。
すべて私の負担でした。
保険があったので、金銭的な問題はありませんでしたが、車いすの生活になっても「ガンは治る可能性がある」ということで、障害者扱いではないため障害者年金は許可されませんでした。
医療費はどうにか捻出できても、住宅の改善などの金銭的負担がありました。
そして何よりも「自由」がなくなります。
いつもニコニコして対応ができるほどの心の余裕がない時があります。
介護してもらう母も、申し訳なさそうに私に頼み事をしていることがありました。
子を想い…親を想う。
それは変わりないのに、様々な準備をしていても、心がギスギスすることがあります。
その「準備」さえ親がしていなかったら…
高齢者になった親に辛くあたりたくないと思っている、そんな子供の心に大きな負担となっていく可能性があるのです。
子供がいない方もいらっしゃいますね。
いずれかは全くの他人や公共的なシステムによって、自分の老後を託すことになるので、覚悟と準備をしておいたほうがよいことは、漠然と想像できると思います。
終活は終焉のためと思われがちですが、自分の豊かな未来を意識して活動することです。
エンディングノートなどに書き出しておくことで、どのように準備をしておくことが最良なのかが見えてきます。
私は親を看取り、そして自分がその年齢に近づいてきたからこそ、親子両方の気持ちが痛いほどわかり、医療において意思表示をしてくれていた母なので、とても助かったことを私は経験しています。
「本人の意思によるもの」
それは老いていく自分と、支えてくれるまわりの人にとって、大きな心の支えになります。
終活の8つの効果
今後の人生をよりよく生きるために、「今までの自分」「現在の自分」「これからの自分」と過去・現在・未来という視点で自分のことを見つめます。
そうすることで、自分が見えてきます。
そして、未来に向けて行動を起こすきっかけになります。
終活の効果はそれぞれの環境でさまざまなですが、終活ライフケアプランナーとして講義をするとき、代表的な8つの終活効果を取り上げて話をしていきます。
いざという時に慌てなくてすむ
人生いつ何があるかわかりません。
準備していても間に合わない出来事もあるのかもしれません。
しかし、経験するであろうことを想定して、家族や関係者が様々な選択を迫られるようなことがないようにしておくことで、慌てなくてすみます。
自分の意思を伝えることができる状況ならばいいですが、意識不明になったり認知症になってしまったら、伝えることができません。
その状況は、家族や関係者の意見が分かれ、心の葛藤になってしまうのです。
折り合いがつかないことも発生し、仲違いになることも…
そのような判断をしなければならないことを、事前に本人の意思を伝えておくことで、多くのことが解決していきます。
後悔することが少ない
もし自分が認知症になったり亡くなったら、どうするのだろうか…と、不安を抱えて生きていくのはすごくしんどいです。
自分の希望を伝えておくことで、自分や家族が居心地よく暮らしていけますし、関係者も安心できる材料になります。
延命治療や介護をどのようにしたいかということは、意思を伝えられる状況だからこそ笑って言えるのです。
動けなくなってから、○○しとけばよかった…と後悔しても、伝える術がない場合もあるので、伝えておくべきことは伝えておきましょう。
親近者とのシェアリング効果
独身や核家族化の影響で、預金通帳・保険証書や印鑑の保管場所など、身内でも知らないことが非常に多くあるのではないでしょうか。
終活をすると、家族や関係者とコミュニケーションをとる機会ができます。
家族に相談することは、相手にとって信頼されている安堵感がうまれます。
自分ひとりで考えていると、心細く思っていたことも、家族や関係者とシェアすることで、気持ちも軽くなります。
立場によって考え方も違うので、思わぬところから解決策が見い出せるものです。
些細なことでもシェアリングすることで、それは重要な連絡事項になるので、終活によってコミュニケーションが円滑になります。
医療従事者や介護者に自分の意思が伝わる
介護や治療の方針を立てるとき、本人の希望が明確であることですすめやすくなります。
日常の生活の小さなこと…たとえば好きな食べ物・趣味なども終活でのエンディングノートに綴っておくことで、施設や病院で配慮してくれる可能性があります。
入院先などで、そのような情報はとても役に立ちます。
経済的な目途が立つ
自分は何年後にこうしたい。
そのような希望がある場合、逆算してどのくらいの費用がかかるのか?と調べると思います。
貯金・保険・年金…と、収支がはっきりしていれば、具体的に最期の時まで持ちそうなのかがはっきりしてきます。
不足しそうであるならば、事前に対策を打つことができます。
対策を打つことができる年齢にも限界があるので、終活を早めにスタートすることで、未来の自分がしたいことができる自分になることができるのです。
家族や周りの人が「もしもの時」の準備ができる
自分の希望を言葉で告げても、もしもの時に親族が「どうするんだったか?」と記憶が明確ではないことがあります。
やはり、具体的にどうしたいかという希望は、何かに読めるように残しておくべきです。
知り合いの話ですが、パソコンに預金や保険などを記した指示書のようなものを残してあったのですが、パスワードを入れないと開くことができず、なかなかパスワードが解除できず困ってしまった方がいました。
せめてパスワードをアナログで残してある「エンディングノート」のようなものがあるとよかったのですが…。
万一に備えてアナログの方法でも準備したほうがいいですね。
家族親族のルールやしきたりなどの申し送りができる
“しきたり”というと、昔からの怖いイメージですが、先祖からの申し送りや家族のルーツなどを残すことができます。
伝え忘れや子供がまだ受け入れられる年齢ではないなど、やはり「エンディングノート」などで残しておくことで、後に伝えることができます。
最期が突然訪れたり、認知症になってしまって思い出せない状況になったとき、大切な家族のことを後世に伝えることができなくなってしまいます。
エンディングノートに思い出しては書き加えるという作業は、自分の歴史を綴る作業でもあります。
身辺整理で安全で衛生的な生活ができる
年齢が重ねていくと、ゴミが捨てられなくなるようです。
脳が整理できない働きになるので、老いた高齢者を責めることは気の毒なのです。
終活の中で、整理整頓をしていらないモノは自分で捨てるようにすすめています。
家族が捨てにくいモノもあるので、自分で処分してくれることが家族が望むことだと思います。
そして、物が減れば足元や作業が安全になりますし、衛生的な生活ができます。
終活は自分の未来を気持ちよく過ごしていくための作業なのです。
生き方が明確になり未来に向けて「心が整う」
終活は過去を振り返り、これからの人生に起こることを想定して、自分が望む余生と最期を迎えるために、何をしたらいいのかと明確にできます。
趣味…旅行…と自分がどのように生きて、豊かな時間を過ごしていくのか…
不安材料を書き出し未来に向けて準備して、家族や関係者に自分の意思を伝えておくことで、心が整います。
過去・現在・未来への道標…それが終活です。
その道は誰のものでもありません。
あなた自身の人生です。
・終活とは?自分らしい豊かな人生を修め身支度準備の進め方
・終活の8つの効果|自分の子供が少ない・いない時代だからこそ!
・終活を始める10のタイミングと3つの心構え
・大震災から学んだ大切なこと!自分らしく生きるって何?を考える終活
・50代人生の身支度“終活”のすすめ!自分の未来のため“幸活”に繋げる
・終活を50代前後から始める男女の理由に温度差「修活」で今を修めて豊かな老いを!

“身支度の終活”はじめかた
- 終活とは…
●終活とは?自分らしい豊かな人生を修め身支度準備の進め方
●終活の8つの効果|自分の子供が少ない・いない時代だからこそ!
●自分と大切な人への愛情表現!自分らしく生きてみる!
●「終活のため」様々な角度から情報を提供 - エンディングノートとは
●終活で相続・遺言などを定める「エンディングノート」
●幸を積む未来型「終活ノート」命の五段階活用法エンディングノート
●終活「エンディングノート」具体的な内容と書き方10つのポイント - お金のこと
●終活をして年金・保険・預金・資産をまとめておく必要性
●年金(編集中)
●保険(編集中)
●預金(編集中)
●資産(編集中) - 遠い未来の健康について
●看護・介護・老々介護などはあるものとして考える終活
●看護(編集中)
●介護(編集中)
●老々介護(編集中) - 旅立ち後について
●終活で葬儀・お墓について定めておく
●葬儀(編集中)
●お墓(編集中) - 終活はあなたの未来のために…
●人生100年時代が到来!人生二毛作で楽しむ
●「生きていくため」終活の先にある未来について
●「楽しむため」未来があるから終活をする
●「整えるため」心と身の回りを整える終活