世間体を気にした「カッコつけたお金の使い方」をしない
バブル景気を経験した人は、カッコつけたお金の使い方をしたことがあるのではないでしょうか。
お母さん同士の付き合いの中、高級ブランドを無理して購入したことがありませんか?
お金に糸目をつけない使い方や、不要なモノをカッコつけるために購入した品々。
現在タンスの奥に放置されていませんか?
何人かで集まった会合で、割り勘にすればよいものをカッコつけてしまったり、お買い物をいっしょにしている友達が購入するから私も!…とカッコつけてしまう。
それはかつての栄光であって、現実は迫ってくる余生の生活を想像し、預金を切りくずして生活費に当てる・年金が気になっていたりするものです。
もちろん経済的に余裕がある人にいるでしょう。
しかし、多くの庶民の生活は、豪遊できるほどの余裕はないと統計が物語っています。
また頑張って働けばいいや!預金があるから大丈夫!と、カッコつけた生活を続けていませんか?
会社の経費で行われていた若い時の仕事での接待や、お友達との買い物でも見栄をはった生活の感覚で、まだ若いつもりで生活をしていると、“後悔先に立たず”で後で大きな苦悩を経験することになります。
歳を重ねて“寂しさ”を感じて生きていると、優しく声をかけてくれる人に心を許してしまったり、販売員の言われるままに購入してしまうと言われています。
誰がどう考えても不要なモノであるにも関わらず、高額な商品を購入してしまうのです。
これからの人生を楽しむために…確認するために…終活をしてみましょう。
それは、「未来を明るくしていくための終活」にしてくださいね。
買い物と所有は「必要性」重視で!終活意識を持とう!
私達の年齢は、戦争で「ものが不足・ものがない時代」で生きていたわけではなく、その時代の親に育てられた世代だと思います。
私が子供の頃、石鹸やトイレットペーパーのことで、世の中が騒然とした「オイルショック」ぐらいで、後の時代はモノが溢れていました。
モノが価値を生み出し、欲しいものを買うことが“幸せ”であるという国民の意識が、高度成長を生み出し、そして必死に働いていました。
どんなに不景気だと言われていても、街の商品がなくなることを想像するような日本ではありませんでした。
おそらく、身のまわりの欲しいものや必要なものは、ひと通り揃っているのではないでしょうか。
必要と思っているもの。
本当に必要ですか?
同じものがゴロゴロしていませんか?
耳かきや爪切りなど、いくつもある家庭が多く、「持ってきて!」と突然言われて、どのくらいの時間がかかるかという実験がありました。
家によって大きな差があり、整理整頓ができていて、必要性があるもの重視で買い物をする家庭ではすぐに集められるのですが、見つからない家庭に限って保有数が多く雑然としているようです。
爪切りや耳かきは粗品として頂けることもあり、すべて取り出して使い始めてしまうことが大きな原因です。
見つからないごとに購入してしまうという方もいらっしゃいます。
100円で購入できるものが多く、安いからつい買うことで問題を解決してしまうのです。
チタンの10万円ほどする爪切りをなくされる方な、なかなかいないと思うのです。
溢れかえったモノで部屋は雑然となってしまい、必要なモノに限って他のモノに紛れて見つからないことにイライラして、精神衛生上もよくありません。
この「負の連鎖」はどこかで断ち切らなくてはなりません。
爪切りや耳かきを例にしましたが、使いやすい必要なモノを1つ選び「置き場所」を定めましょう。
小さなモノの地道な整理整頓ですが、他の刃の切れない爪切りや、汚れが目立っているもの・先の部分の欠けているもの・撓り方が耳にフィットしない耳かきは、もう用を終えたものです。
その負の連鎖を断ち切れる意識が持てるのが、「終活」です。
「必要なモノ」を見極めて、整理整頓をする地道な積み重ねが、心も住まいの環境がすっきりして、居心地の良い部屋になっていきます。
終活のひとつに「整理整頓」があります。
自分自身の未来のためでもありますが、残された人達への愛情でもあると私は思っています。
モノの豊かさの基準は自分自身で決める
江戸時代に長屋暮らしをしていた庶民達は「自分たちの日々の生活も、お殿様の豪華な暮らしも、似たりよったり!起きて半畳・寝て一畳なんだ!」と幸せに暮らしていたそうです。
豊かな心がなければ、富は醜い物乞いでしかない…と。
人によって貧富の差はあっても、それぞれの日々の生活には大差なく、貧しさは“貧しい”と感じるところにある…ということです。
喜劇王のチャップリンは「人生に必要なもの。それは勇気と想像力、そして少しのお金だ」という言葉を残しています。
他人がどのような生活をしていても、もう無理してカッコつける生活には終止符を!
自分の愛するもの…大切なこと…好きなこと…などがあれば人の心は豊かになれるのです。
預金と年金収入とのにらめっこをしていく生活をしていく長い人生に、モノの豊かさの基準を定めることで、見える景色や感じる香りや感動できること…きっとあなたの世界感は変わっていくと思います。
終活視点の整理整頓
長く生きていれば持ち物が増えているのは当然です。
子供の頃、手に入れることができなかったモノは、大人になって自分で稼ぐようになれば、好きなモノを購入したくなるのが当然ですし、働く力にもなったと思います。
「買うのは大好きだけど、捨てるのは嫌い」という時代に育ち、親から教育されていたのだから、切り替えることは容易ではないかもしれません。
でも、人生折返し地点を境にして、滞在時間が多い生活の中心が家になってきたら、できる限り部屋を整理して、広々と使えるように準備をした方が良いでしょう。
使いたい時にみつからないモノに対してイライラしたり、あるモノなのにまた購入する。
世間体を気にしたカッコいいと思っていた買い物。
このような失敗や無駄は、“必要性”を重視して、整理整頓をしていくことで防ぐことができます。
モノの豊かさとは何か…を、自分自身が決めていくことが、とても大切だと思います。
第二の人生
生涯現役と決めても、ゆっくり過ごすことを決めていても、まずは気力・体力があるうちに整理整頓をして、心と共に整えていきましょう。