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10年先の健康-アンチエイジング医学
あなたにとって“若さ”とはどういうイメージを持っていますか?
第一印象は、やはり「見た目の若さ」が協調されるのではないでしょうか。
シワやたるみのない顔や、引き締まったボディライン。
女性はお化粧やファッションなどでも、見た目より若く見られることはあると思います。
若しくは、若い時のような記憶力や集中力・免疫力などに、重きを置く方もいらっしゃると思います。
現実40代ぐらいから、傷がいつまでも残っていたり、風邪をひいたらなかなか治らない、疲れが残るなど、不調の増加を実感することが増えていませんか?
50代になると、蚊にさされた跡や傷が、シミのように残ることもあるようです。
それは、もちろん年を重ねれば必ず訪れる“老い”が原因ではありますが、不摂生な生活をしていた今から10年前の食事や生活習慣とも大きく関わっています。
老化はさまざまな体の「機能低下」のことです。
自然と健やかに年を重ねる4つの柱
アンチエイジング医学では、老化や病気のメカニズムと、その進行を予防する栄養の摂り方や運動・意識など、様々な角度から解明されたことをトータルに考え出された医学です。
今日食べた物・現在の生活習慣が、10年後のあなたを決めているのです。
自然と健やかに年を重ねる4つの柱
- 食事
- 運動
- 睡眠
- 心の持ち方
健康であることで、当たり前の4つだと感じられた方が多いと思います。
しかし、その4つを意識して実践した生活をしていたか?…と聞かれれば、胸を張って「YES」と言える人は少ないのではないでしょうか。
若ければ楽しいことを優先させたいし、大好きなものをお腹いっぱい食べたくなります。
そして、そのような生活が充実していると感じていたり、生きている実感さえ感じられるような無謀な行動もあったでしょう…。
私は「若い時しかできないことは、やってみればいい…」という考えなので、否定的な考えはありません。
しかし40代以降も同じように体を痛めつけてしまうと、回復力が落ちていて、そのまま体調不良へと繋がってしまいます。
どこかで軌道修正をしなければ、シニアになってからが大変!
同じ年齢でも何故か若々しくみられる人の共通点は、“体に良い”ということを何の無理もなく自然に続けていることが多いと、医学的に解明されています。
本人は健康になろう!若くいたい!という意識がなくても、生活習慣がや食事が若返りできる生活をしているのです。
人には、それぞれ年相応の魅力があり、年の重ね方があります。
笑顔に刻まれるシワは、その人の人柄をあらわし美しいですし、中年以降、体系が多少丸みをもっていても、エネルギッシュで笑顔の多い方は周囲に好かれているものです。
ですから、必要以上に老け込まず、生きている姿がすべてと思い、美しいモデルのようなボディをイメージするのではなく、健康で生き生きとしている自分を意識してアンチエイジングを心がけてみてはいかがでしょう。
体を老化させる5つの原因
人は生まれて成長している間も、老化が進んでいるとも言えます。
アンチエイジング医学では、現代人ならではの老化の原因があり、40代から老いが急速に早まるので、40代・50代は体に優しい習慣を身に付けていきたい年齢になっているのです。
便利な世の中になっている反面、体に害となるものが増えていることを、心の隅に置いておいてほしいと思うのです。
これから紹介する「老化する5つの原因」の負の連鎖によって、体調不良を感じたり、治りが遅かったり、大病になっていきます。
ホルモンの分泌の変化で老化がすすむ
30代後半になってくると、ホルモンの分泌が変化しはじめ、老化が早くなってきます。
40代・50代では男女ともホルモンのバランスがくずれて、更年期障害になることもあります。
体型を維持して、血管をしなやかにキープするようなホルモンの分泌が低下して、冷えや肩こり、だるい、気分が憂鬱など、心身ともに不安定な状態になります。
そのために猫背になって老け込んだ感じになってしまうのです。
そして、判断力・決断力・意欲などが低下するという自覚があるかもしれません。
体を老化させる化学物質に注意
私たちは、空気・土壌・食品・肌に触れるなどの化学物質に囲まれて生活をしています。
その環境から取り込んでしまう化学物質に“発がん性”があり、野菜や穀物・魚介類などには土壌を通じて水銀やカドミウム・鉛・ヒ素といった有害物質が蓄積されているので、それを食べている私たちの体ににも微量に溜まっていきます。
このような毒を排泄する力が人間には備わっていますが、年齢とともに解毒力が低下する上、不摂生な食事をしていることで体に蓄積されていきます。
体を老化させる現代型栄養失調が深刻
現代では不調や老化に悩んでいるほとんどが「現代型栄養失調」です。
24時間好きなモノを食べられる時代になっているのに、必要な栄養素を補えていないのが現実です。
糖質が多い食事として、ファーストフードやインスタント食品・添加物が多い調味料やレトルト・惣菜など、添加物を多く含む食品は、私たちの体を余計に働かせた上、消耗させてしまいます。
食べているのに、野菜の栄養は50年前の1/8~1/50にまで落ちているうえ、食物繊維や発酵食品を摂らなくなっているために、腸内環境が悪化して全身の細胞が老化に向かっています。
細胞の酸化が体を老化させる
人が生きていくためには酸素が必要ですが、食べ物で取り込んだ糖質や脂質に酸素を反応させてエネルギーを作っていますが、どのときに「活性酸素」を作っています。
この活性酸素は細胞を酸化させ(サビさせ)傷つけているのですが、人には活性酸素を消去するSODという抗酸化酸素が備わっています。
そのSODが年齢と共に衰えてしまう上、更に食べ過ぎやお酒・ストレスなどが加わり加速していきます。
・栄養素を逃さない!抗酸化を意識した食材の選び方と調理方法-暮らしの栄養学
体を老化させる糖質の摂りすぎ
簡単に食べるものが入手できることから、1日中糖質食を摂っている人が多いことが問題になっています。
糖質の摂取量が多いために、インスリンが効きにくくなってしまい。脂肪として蓄積され、体調不良と感じられなくても脂肪の多い体型になっています。
余った糖がたんぱく質とくっついて“糖化”すると、骨がもろく血管は動脈硬化を引き起こしやすくなるのです。
一度糖化した細胞は決して元には戻りません。
・老化・病気の原因は酸化より“糖化”体を焦がすAGEとは?「老化度」チェックシートで確認!
・老化原因の糖化「抗糖化食事法」7つの食事ルールと食べ物30品目で“老化促進物質AGE”を増やさない
5つの原因によって、免疫力が低下したり、遺伝子に異変・ガン細胞の活発化など、多くの生活習慣病を引きおこします。
健康で必要なものは「選ぶ力」「継続する習慣性」
不健康な方が健康になりたい…太っている方が痩せたい…と願うとき、何か言い訳をして決心したことを“無”にしてしまうことはありませんか?
特殊な病気や遺伝性が原因である場合を除き、できたらいいなぁ…という、中途半端な気持ちであると思うのです。
年齢によってホルモンの分泌が変動期だから、太ってもしょうがない…
ちょっとだけなら、食べても大丈夫…から始まって、気が付いたらたくさん食べてしまった…と、自分に負けてしまうのです。
それが幸せならば、それも良し!
後で嘆くような結果がなければ、そんな幸せなことはないからです。
「絶対に~しない」という取り決めは挫折してしまうことが多いのでおすすめしませんが、自分に甘いのも問題で、その境界線がとても難しいです。
神経質になってしまい、家族や他人に強要したり、自分自身が追い詰められてしまったら、何のために健康になるのか本末転倒です。
ちょっと苦しいけれど…健康で楽しい未来の自分を想像しながら楽しむことができる方法が一番です。
漢方では生まれながら持っている「先天の気」と、日々の暮らしの中で努力次第で改善できる「後天の気」と、エネルギーを先天的・後天的と分けています。
アンチエイジング医学では、遺伝子が決めるファクターは20~30%で、その後の環境が決めるのは70~80%であるとわかっています。
生まれ持った遺伝子がすべてを決めるのではなく、生活環境を自分なりの努力でコントロールできるのです。
私の母方の兄弟は全員ガンで他界しています。
今思うと、彼らは全員小太りで、ガンになりやすい食べ物が大好きでした。
従妹達までガンで他界しているので、そのような気持ちから、私は食事に気を付ける生活をしています。
まず、食べるものや食べ合わせは、親が作った食べ物から始まり、体質が決定づけられていきます。
大人になると食べ物は好きなものを自由に選択できることから、ますます好きなものを食べる傾向に走りがちですが、後天的なものであるならば、自分の努力で改善できる範囲であると言えるのです。
100歳まで好きなものを食べて嫌いなものを食べなかった…例について
100歳になるまで、好きなモノを食べて嫌いなものを食べなかった…という例があります。
その方の嫌いなもの…は、その方にとって食べなくても良い体質にできあがってるのです。
その体質は、ケトン体の食事法で出来上がったものに近く、ガン細胞などを制御してくれるものです。
しかし、問題なのは、「100歳まで嫌いなものは食べなくても大丈夫」ということだけが報道され、独り歩きしています。
ケトン体の食事を摂っていない人が、更に嫌いな野菜を食べなかったら…と…想像してしまいます。
自分にとって、都合の良い部分だけを切り取ってしまう危険性をとても強く感じます。
自分の口に入るものは、しっかりと「選ぶ力」を持つことが、健康的で老けない習慣を実践する上で必要なことです。
年を重ねると共に落ちていくホルモンや免疫力などは、マイナス分を埋めるかのように情報を得て自分でプラスしていかなければなりません。
そして、健康的な体を作ることは、短期戦ではありません。
これからずっと習慣にしたいことなので、無理は禁物です。
次の章では具体的な方法を説明していますが、2~3カ月をかけて全部が週間になっていた…というぐらい、ゆっくりと習慣化できるようにしていきましょう。
次回は習慣化させたい「老けない20の習慣で若さを手に入れる方法」として具体的な改善方法の話です。
「老けない人の20の習慣-食事編・運動・睡眠・心が若返る|40・50代終活アンチエイジング」